家族でつなぐ養鶏業の未来を拓く
新商品開発のデザイン
渡辺鶏園「燻製たまご ジオの石」
Client | 渡辺鶏園 |
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Creative Direction | Shutaro Matsuura |
Graphic Design | Minami Hayashi |
Illustration | Minami Hayashi |
新潟県糸魚川市にある養鶏場「渡辺鶏園」が手掛ける新商品、「燻製たまご ジオの石」の商品開発サポートおよびパッケージデザインをU・STYLEにて行いました。
渡辺鶏園は、ヒスイを代表とする石のまちやジオパークとして有名な新潟県糸魚川市で、1968年からつづく家族経営の養鶏場。山と海に囲まれ、自然に恵まれた糸魚川の豊かな環境で、ボリスブラウン、ジュリア、ネラという3種の鶏を飼育し、近年では平飼いの養鶏にもチャレンジしています。
また渡辺鶏園の新鮮なたまごを使った、たまごが主役の洋菓子店「för ägg(フェルエッグ)」も展開し、新潟県内外で知られるお店となっています。
「ジオの石」は、そんな渡辺鶏園の新しいチャレンジ。洋菓子店 för äggとしてではなく、これまで表に出る機会の少なかった「渡辺鶏園」としての新しいプロジェクトです。för ägg を発展させていく上でも、そのもっとも重要な原材料である卵を生産する渡辺鶏園として事業をしっかり育て継続していくことが、非常に重要なポイント。
そんな背景から、今回は渡辺鶏園をブランディングしていく第1歩としての新商品開発に伴走し、洋菓子とは異なる形で渡辺鶏園としておいしい卵を届けていくとともに、養鶏場を営む糸魚川を伝える役割も担う商品を目指して「燻製たまご ジオの石」を開発しました。
平飼いの鶏舎
平飼い養鶏のネラ
渡辺鶏園の卵
渡辺鶏園の文脈探究時のワークショップ資料の一部
プロジェクトを始めるにあたりまず最初に取り組んだことが、糸魚川市でのフィールドワークと渡辺鶏園の文脈の探究。鶏園の歴史やらしさ、Will / Can / Must などを掘り起こしながら、渡辺鶏園が何者であるのか、今後どこに向かっていきたいかなどを一緒に考えていきました。
そのプロセスで得たものもヒントにしながら、「ジオの石」はどのような商品でありたいか、どのような差異性や優位性があるか、パッケージなどを含めどのように接点をつくっていくかなど、商品開発に伴走していきました。
卵をじっくり7日間燻製し、濃厚な香りや旨みを味わえる燻製たまご。製造後、常温で1年保存ができ、糸魚川のお土産として、おやつやおつまみとして、非常食にもおすすめです。
はじめて渡辺鶏園さんを訪ねた際に印象的だったことが、鶏を大切に思うやさしい眼差しと、ただただ「おいしい卵」を届けたいというピュアな思いでした。渡辺鶏園さんがまとうその空気感は、鶏園や för äggの取り組みや商品にも表れているように感じます。
今回、そんな渡辺鶏園さんが家族で大切に繋いできた養鶏業の、次の時代をつくる新しいチャレンジをご一緒させていただけたことは、私たちにとっても嬉しい限りです。
この取り組みが渡辺鶏園さんの前向きな第1歩となり、次の1歩や、その先のよりよい未来につながっていくことを願っています。