食べ慣れた味と発酵文化をつなぐ
5代つづく糀屋のブランドデザイン
月岡糀屋
Client | 月岡糀屋 |
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Produce | Kazumi Matsuura |
Creative Direction | Shutaro Matsuura |
Graphic Design | Minami Hayashi |
Web Design | Minami Hayashi |
Web Development | APRI*COT |
Photography | Shutaro Matsuura |
Photography | Minami Hayashi |
Copywriting | Shutaro Matsuura |
新潟県阿賀野市安田に明治時代から続く「月岡糀屋」のブランドリニューアルをU・STYLEにて行いました。
月岡糀屋は当代で5代目。安田の家庭における「食べ慣れた味」を、世代を超えて支えてきました。近所の方が容器を持って味噌工房まで直接買いに来る風景が日常にあるなど、地域に根ざした糀屋です。
糀や味噌の原材料となる「米」や「大豆」から自家栽培。「自然のものを、自然のままに」を合言葉に、添加物や熱処理も行わず、代々変わらぬ製法で自然の味を家庭に届けることを大切にしています。
また、田植えや稲刈りには家族や親戚が子どもから大人まで集結し、原材料から世代を超えて一緒につくっており、家族みんなで地域の味をつないでいることも月岡糀屋らしさと認識しています。
一方、時代や食生活の変化のなかで、味噌や糀の文化が廃れていくことへの危機感や課題感も持っていました。文化がつながることで、月岡糀屋自身もつないでいける。糀屋として発酵の文化を継承することも役割ととらえ、味噌づくりのワークショップなども開催しながら、文化をつなぐ活動にも力を注いでいます。
わらで編んだ「こも」をかけてつくられる月岡糀屋の糀。現在では「こも」をつくる職人の数も減っているそうです。
ブランドリニューアルにあたっては、既存顧客を大切にしながら、月岡糀屋の商品が届いて欲しい新規顧客へ届くデザインであることがポイントとなりました。既存顧客を置き去りにするような大きな変化をせず、これまでの月岡糀屋を継承しながら、今の月岡糀屋らしさをさらに積み上げたデザインとなることを目指しました。
近年、子育て世代で甘酒や味噌を家庭でつくる方との出会いもある中で、ワークショップ参加などをきっかけに月岡糀屋の商品を継続的に購入する新規顧客も出てきている状況でした。既存顧客にとっての月岡糀屋の存在を大切にすることを念頭に、甘酒や味噌を手作りすることに興味や喜びを感じる人など、食に関心を持つ子育て世代に親和性ある表現を方向性として定めました。
また、「自然のものを、自然のままに」の製法を大切にしていることから、全体を通して華美なものや余計なものを削ぎ落としたデザインを行なっています。
ロゴマーク
既存のロゴタイプを生かし、「月」や「岡」を想起する新たなシンボルマークと組み合わせてロゴマークを作成。
ウェブサイト
シンプルながらも月岡糀屋の営みや商品が過不足なく伝わるウェブサイト。
商品はウェブサイトと紐づいているオンラインストアから購入可能です。
Web site
https://tsukioka-koujiya.com/
Online store
https://store.tsukioka-koujiya.com/
パッケージ
余計なものを加えず、手をかけて手づくりしている丁寧さや誠実さを表現したパッケージデザイン。
リーフレット
店頭設置や手渡しもしやすく、商品発送にも同封しやすい、小ぶりな仕上がりサイズのリーフレット。
月岡糀屋が大切にしていることや商品紹介などが掲載されています。少ないスペースながらも、「糀屋暦」はウェブサイト同様にリーフレットにも掲載することに。いつ見ても、自然とともにある月岡糀屋の営みに思いを馳せてもらえるリーフレットになっています。