日本酒MANDOBA

風景や文化を守り、関わりを生み出す
里山をつなぐ手段としての日本酒

2023年、私たちが安塚の里山で栽培したお米を使った日本酒「MANDOBA」をリリースしました。
安塚にある稲作文化や自然環境をつなぐとともに、地域経済や関係人口をつくりながら土地と人を結びつける、U・STYLEの里山のデザインの試みです。

デザイン会社がなぜ日本酒を?

私たちがこの日本酒をつくる目的は大きく2つあります。

1つ目が、安塚の里山やそこにある営みを知ってもらい、触れてもらうきっかけをつくること。
里山を未来へつなぐためには、まずは人々から存在を知ってもらい、さらに地域に関心を寄せてくれる人を一人でも多くすることが必要だと考えています。この日本酒が、楽しくおいしく安塚の里山の一部に触れてみてもらえるきっかけになったらと思っています。

2つ目が、里山で人と自然がよりよく共生しつづけるための一歩とすること。
安塚にはかつてから稲作を中心とした農文化が生活の中心にありました。農業技術が進歩する中で、現在では農薬や化学肥料を使った慣行栽培と呼ばれる方法による栽培が主流となっています。しかし、そのような従来の栽培方法によってつくられ、慣例的な出荷・販売方法によって流通するお米につけられる価格は、1年間でかける手間に比べて安すぎるのが現状です。人口減少も進む地域でその状況が続けば、世代交代をしながら農業を続けることは期待できず、結果としてさらに田んぼが手放されていきます。(人口減少が進む中、少人数でひとつでも多くの田んぼを維持していくためには、現状の慣行栽培や出荷・販売方法をとることも不可欠な状況です。)

そんな状況に課題を感じつつ、私たちが安塚の棚田で農薬や化学肥料を使わない方法で米づくりを始めてから約5年。土づくりや圃場管理の工夫によって自然の力を引き出しながら栽培したお米を、土地や取り組みのストーリーとともにお客様へダイレクトにお届けすることで、お米の価値をきちんと認めていただける経験をすることができました。
そしてそのお米をお米として売るだけでなく、日本酒などにすることで付加価値もつき、お米の価値をさらに高めることができます。

「難しいよ」と言われながらも農薬や化学肥料を使わずに安塚でおいしいお米をつくり、そこから適正な収益を得られることを自ら実践して形にする。それによって、これから自然に寄り添った農業や生活をしたい人が安塚を選んでくれたり、関わってくれたりすることを目指しています。そして環境共生型の農業や生活が地域に根づくことで、里山環境もさらに良くなると期待しています。

文化的にも経済的にも持続できる環境をつくりながら、地域と人が結びつくきっかけをつくる。そのための一歩が、この日本酒プロジェクトです。

MANDOBA(マンドバ)とは?

日本酒の名前は「MANDOBA」。このお酒の原材料米である五百万石を栽培している田んぼの通称「万燈場(マンドバ)」に由来します。

万燈場は、安塚・大原集落の山を奥へ、奥へと登っていくと姿を現す、棚田群の一番奥にある天水田(※)です。康元元年(1256年)、峰向こうにある古刹・専敬寺の36世円道和尚が、親鸞聖人の弟子となった事から浄土真宗に改宗した際、それまで使っていた器物や経文を土中に埋蔵したことから「万燈場」と呼ばれるようになったと言われています。
(※ 稲作に必要な水を雪解け水や雨水など天水に依存している水田)

里山の四季の営みを埋め込んだ5種類展開

MANDOBAは、飲む人が安塚の里山の季節や営みを少しでも感じながら楽しんでほしいと思っています。そのため、同じ仕込みながら加熱処理や熟成方法を変えることで味わいの違いを生み出した5種類の日本酒をつくり、それぞれに安塚の里山の季節や営みをコンセプトとするタイトルをつけ、その時季にあわせてリリースしています。

春|芽出

[里山の季節と営み]
季節:春
春の気配とともに雪が緩み、田植えに向けた準備が始まる頃。種もみを取り出し、選種などを経て芽出しをします。

[酒の特徴]
春の里山の生命力を表現
・さわやかな微発泡
・直詰/生酒

初夏|田休

[里山の季節と営み]
季節:初夏
田植えを終えると行われる「田休みの節句」。笹餅や朴の葉赤飯が神棚や仏壇に供えられ、酒を酌み交わし英気を養います。

[酒の特徴]
フレッシュな山の恵みを表現
・生酒の風合を残したフレッシュ感
・生貯蔵/1度火入

夏|出穂

[里山の営み]
季節:夏
8月上旬から下旬にかけて茎の中からさやを割って薄緑色の穂が出てきます。
早朝、露をたたえた美しい穂を眺めながら、その年の作柄を左右するこの時期の好天を、天に向かって祈ります。

[酒の特徴]
若い穂が伸びやかに育つ頃の爽やかな夏空を表現
・にごり
・2度火入

秋|刈上

[里山の営み]
季節:秋
山の粘土質の田んぼの稲刈りは、機械化が進んだ今でも簡単ではありません。昔は、稲刈り、稲背負い、はさかけ、脱穀と、稲を米にするまでの過程すべてが手作業で行われていました。昔も今も、刈上はその1年が報われる、何にも変えがたい喜びです。

[酒の特徴]
・イメージ:一年で最も米に恵まれる時期、米の香りをふくよかに愉しむ
・常温や燗でもおいしいふくよかさ
・2度火入

冬|越冬

[里山の営み]
季節:冬
田んぼ仕事がひと段落する晩秋、冬を迎える準備に入ります。
雪国ならではの「雪室」を活用した貯蔵もそのひとつ。
「MANDOBA – 越冬 -」も安塚にある雪室で数ヶ月熟成させ、味わいを深めます。

[酒の特徴]
もっとも上質なところを雪室で熟成させた特別な1杯
・雪室熟成
・ベストな中取り
・1度火入

生酛造り・酵母無添加
自然のめぐりが醸す醸造方法への挑戦

MANDOBAは、米づくりから酒造りまで、できる限り自然の作用の中でつくることを大切にしました。
里山に蓄えられる水のみが沁みだす天水田で、農薬や化学肥料に頼らず土地の力を引き出しながら自然の営みに沿ってつくったお米で仕込む日本酒。手間をかけて、大切にしてきたからこそ、お酒にするときにもできる限り自然の作用によってつくりたいと願っていました。
そこでMANDOBAシリーズでは、現代の日本酒醸造では通常添加する乳酸や酵母を添加せず、自然の作用によって醸造する「生酛造り」を選択。MANDOBAの醸造を担当してくれた酒蔵・竹田酒造店にとっても初めての挑戦でした。

共感と共創でつくる日本酒プロジェクト

日本酒MANDOBAは、デザイン会社「U・STYLE」、酒蔵「竹田酒造店」、酒屋「わたご酒店」による共創プロジェクトです。U・STYLEが掲げた「日本酒で里山を未来につなぐ」という思いに共感してくれた2社とともに、構想段階から専門性と発想を掛け合わせながら、日本酒プロジェクトを一緒につくっていきました。

竹田酒造店10代目 竹田春毅さん

わたご酒店 寺田和広さん

プロジェクトチームで万燈場視察へ

U・STYLEがめざす里山のこれから

私たちにとって日本酒は、里山を未来につなぐひとつの手段です。これからも安塚の里山を舞台にした取り組みによって、関係人口や地域経済の創出、海外への発信と展開、里山やそこにある文化の継承や発展へとつなげていけたらと考えています。

ぜひ多様な関わり方で、私たちの取り組みに関わっていただけたらと思います。

クラウドファンディングへの挑戦

日本酒MANDOBAプロジェクトをリリースするにあたり、多くの方から認知し関わっていただくためにクラウドファンディングに挑戦しました。
結果として、合計153名の方より1,544,000円のご支援をいただき、多くの方に背中を押していただきながらプロジェクトをスタートさせることができました。本当にありがとうございました。

プロジェクトページ
https://www.makuake.com/project/u-style-niigata/

オンラインストア

日本酒 MANDOBA は わたご酒店竹田酒造店 ほか、オンラインストアでもご購入いただけます。

MANDOBA オンラインストア
https://mandoba.official.ec

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