新潟の家具工房が、新潟の森から生みだす家具と循環「MORRY GO ROUND」

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Date.2024.04.29

新潟の9つの家具工房を中心に、木版画作家、料理家、コーヒー焙煎士、ワインソムリエ、アイスクリーム屋さん、写真家、保育士、デザイナー、染織家、イラストレーターなど、様々な職能を持った有志が集まり、新潟県産広葉樹を活かしながら森と街と人々の循環をつくる「MORRY GO ROUND(モリーゴーランド)」という取り組みが行われています。
U・STYLEからもディレクターの松浦柊太朗がこの取り組みに協力という形で参加しています。

▼ MORRY GO ROUNDの詳細はこちらのページより
https://camp-fire.jp/projects/view/747112?utm_campaign=cp_share_c_msg_projects_show

この取り組みによるイベント「MORRY GO ROUND」が、4月20日(土)に無印良品直江津にて開催されました。スノービーチ(魚沼市大白川産のブナ)やその他新潟県産木材を使った家具やプロダクトの展示・販売、スノービーチと組み合わせた木版画・絵画・写真などアートの展示、土地の恵みや食文化を生かしたフードなどで、人々がこの取り組みを知り、楽しく触れられるきっかけがつくられ、初回ながら盛況なイベントとなりました。(「このイベントが1日で終わるのは本当にもったいない」と何人もの方が話をするほど、価値も熱量も感じとれる場になっていました。)

「スノービーチ」と呼ばれる雪国のブナ。新潟県魚沼市大白川のブナ林の間伐材のことを指します。かつてから大白川の文化となり生業となってきた林業。時代の変化によって林業が成り立たなくなることによって、地域や集落の存続も危ぶまれるという課題が大白川でも危惧されます。この課題の解決を目指し、9年も前から「スノービーチプロジェクト」が立ち上げられ、山間地集落と生産森林組合、森林組合、大学教授、製材・材木店、家具店、工房、建築家、その繋がりを支援する様々な人々からなる任意団体によって活動が続けられてきたそうです。

MORRY GO ROUND では、身近にありながら使われてないスノービーチを活用し、それを家具などにすることで街や現代生活における価値に変換しながら、森の循環をつくるということに家具職人のみなさんが手を取り合ってチャレンジしています。環境問題としての地産地消だけでなく、山間地集落の維持や里山保全にもつながることも、根底のところでしっかり考えられています。

昨日の敵は今日の友。ひとつの家具工房のみが県産材を使って取り組むだけでは、大きな課題をどうにかすることは難しいのかもしれません。MORRY GO ROUNDに関わるみなさんは、同業の垣根は取り払って、それぞれができることをみんなでやっていくスタイルで、社会の大きな問題とみんなでできる楽しいことに向き合っているように感じます。

また、大きな課題に対して多様な専門性を持ったチームで(楽しく)向き合っているこの取り組みは、現代の複雑な社会課題へのデザインアプローチとしても興味深い取り組みです。

▼ 2023年11月に行った大白川ブナ林見学ツアーの様子

U・STYLEでも里山ボタニカルなどのプロジェクトで、里山や中山間地域の可能性や課題に向き合っています。だからこそ、MORRY GO ROUNDにも共感できることばかり。(むしろ、学ばせてもらうことがたくさん!)

引き続き私たちにできることで、取り組みに参加しつづけていきたいと思います。

「MORRY GO ROUND」では、5月5日までクラウドファンディングを実施しています。
https://camp-fire.jp/projects/view/747112?utm_campaign=cp_share_c_msg_projects_show

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