着るたび 無 になる

  • Monthly message
Date.2021.09.29

– Monthly message –
U・STYLEでは、クライアントの方々へ毎月発送している書類に、時々のメッセージやトピックを同封しています。ここでは、その”Monthly message”を転載してご紹介します。

コロナ禍で予定通りにできない「潟マルシェ」を、直近で開催できたのは今から2か月ほど前の7月でした。

出店者のレイアウトを工夫し、ディスタンスを保ちながらの森の中で、その日はインディゴ染めのワークショップが行われました。 染め液のなかで深い藍色に染まっていく服やバックを見て、「綺麗だな」と、藍色に染められた何かを身に纏ってみたい気持ちになりました。

後日、同じワークショップが他所でもされると聞き、参加するスタッフに頼んで木綿のワンピースを染めてもらいました。 19世紀後半に来日した外国人により生まれた「JAPAN BLUE」という名の藍色。当時の外国人が抱いた憧憬が入っているようで、染められたワンピースに袖を通した時、少し誇らしい気もしました。

清冽な青を重ねていくとこんな色になるのかな、そう思いながら何回か袖を通す中で、不思議な感覚に包まれます。着るたびに自分が一回“無”になるような、そんな清々した感じ。空気の澄んだ朝の目覚めに感じる、身体や心に溜まっていた澱がひいていく感覚に近いものがあるのです。

その後もコロナは収まらず、9月の潟マルシェは中止、季節は秋を迎えています。あちこちに中止の文字が飛び交って窮屈な気がしないでもないですが、「JAPAN BLUE」の服に袖を通すとき、ちょっとだけ気持ちの良い風が吹くのを感じます。
(次回の潟マルシェは10月10日(日)開催予定です。)

株式会社U・STYLE
代表取締役 松浦 和美

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